大きなバスごと列車に乗ってトンネルを抜けるの巻

スイスアルプスの北側に位置するベルナーオーバーラント地方、ユングフラウの山々を堪能した翌日は、スイスの中で日本人観光客にいま最も人気があるというツェルマットへ移動です。ツェルマットは名峰マッターホルンへアプローチするための玄関口でして、ガソリン車の進入が禁止されているため鉄道を利用してアクセスすることになります。イタリア国境に位置するマッターホルンの麓へ行くにためには、アルプスを通り抜けなくてはなりません。そのトンネルがレッチュベルクトンネル(Lötschberg Tunnel)で、カートレインなるものを利用するのですが、このとき思いがけず手に汗握るスリリングな体験をいたしました。

この日の長旅の終わり近くの午後5時ごろ、ツェルマットの駅から少し歩いた所にある川の近くから見たマッターンホルンです。思った通りの美しい山でした。

7月10日、インターラーケンでランチを取ったあと、私たちは大型バスに乗ってブリエンツ湖の反対側にあるトゥーン湖の南岸を西に向かい、南に向きを変えてトンネル入り口の町カンデルシュテーク Kandersteg 駅に到着しました。

このレッチュベルクトンネルを通り抜けるためのレッチュベルク線 Lötschberg Bahn はBLSという、前日乗ったブリエンツ湖クルーズも所有するスイスの私鉄会社です。BLSという社名は、1906年にベルン Bern からアルプス山脈方面へ向かう鉄道会社として設立されたベルン-レッチュベルク-シンプロン鉄道 Bern-Lötschberg–Simplon Bahn に由来しています。

ここカンデルシュテーク駅にてクルマがカーキャリアが何両も連なった列車に乗り込み、トンネルを通り抜けてゴッペンシュタイン Goppenstein 駅へと向かうのです。これは前の列車に一般車両が列を作って順番に乗り込むところです。結構たくさんの車両が乗るんですね。

一般車両が乗るには十分なスペースがあるカーキャリアですが、大型バスの場合ほとんどすれすれのサイズなので、そのすれすれのキャリア内をクルマの中で一番乗りで列車の最後尾から先頭車両まで進んでいかなくてはなりません。本当にこんな大きなバスがあの天井をくぐることが出来るのかしら?本当に上も左右も数センチしか隙間がないのです。

熟練したドライバーさんの腕前を信じて、乗客全員で息を呑んでいます。そんな緊張が立ちこめている観光バスは、ウルトラ徐行でカートレインの上をそろそろと進みます。こすらないで行けるかなぁ。気が遠くなりそうです。

あ~、よかった!無事、先頭車両の定位置まで辿り着きました!!バスの中はやんやの拍手喝采でありました。

私たちのバスは先頭車両の後部に停車し、その車両の前の方はバイクを乗せる小部屋になっていました。後続の60台以上の車両を全て収容した列車が定刻より少し遅れて(私たちのバスが律速段階だったのです!)動き出しました。

いざトンネルへ。このレッチュベルクトンネルは鉄道専用の複線で、1911年に貫通したそうです。

開放型の輸送列車からは所々で外を見ることが出来ます。

スノーシェッドの間から撮影するのは難しいです。

15分ほどで完全にトンネルを抜け、20分後にゴッペンシュタイン駅に到着。私たちのバスが一番先に列車から降りて、一般道に戻りテッシュ Täsch 駅に向かいます。

テッシュの駅。大型バスに乗るのはここまでです。

バスを降りてマッターホルン・ゴッタルド鉄道 Matterhorn-Gotthardbahn MGB に乗り換えます。

スイスは赤い電車が圧倒的に多いようです。

終点のツェルマット駅でMGBを下車します。次の登山鉄道に乗り継ぐまで、少し時間がありましたので、駅から少し足を延ばしてマッターホルンのよく見える地点へ行き、撮影したのが最初の写真です。

発車時間が近づいたのでごルナーグラート展望台行きゴルナーグラート鉄道 Gornergratbahn駅へ。

ゴルナーグラート登山鉄道が駅に入ってきました。それにしても、この電車に乗る観光客のほとんどが日本語をしゃべっているのには驚きました。この列車の終点にあるゴルナーグラート展望台はもっと凄いことになっていましたが、この時点ではそんなことはつゆ知らず、ここから2駅離れたところにある静かなホテルに向かいました。続きます。

いばりこぶた's WORLD

『いばりこぶたの気ままな生活(旧・ナチュかわオバサンの気ままな生活)』というアメブロに、旅の写真を中心に好きな芝居や音楽、グルメなどについて綴ってきました。ここではそれらを写真中心に編成し直してみたいと思います。

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